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■みどり 89号
●巻頭言

伝統技術の継承


東急建設轄ミ害防止協力会
副会長 村岡 三勇

 交通戦争といわれた頃から比べると昨今、交通事故で亡くなる方が少しは減少してはいるようですが、逆に重大事故が増えているのが最近の傾向のようです。これは、流通をはじめ産業の構造的な変化により、世の中全体がスピードアップを要請されていることも原因になっているかもしれません。もう一つ、交通事故の被害者、加害者とも高齢者が非常に多くなっているということを聞きました。それだけ日本の高齢化が進んでいるということになるのでしょうが、その仲間入りをしている私自身、身体の反応が年々遅くなっているのを実感しており、加害者にも被害者にもならないように、「あわてるな、あせるな」と気持ちを引き締めている次第です。
 これまで日本の工業を下から支えてきた中小の企業、特に東京の大田区などの町工場がシャッターを閉めざるを得ない状況になっているという報道がありました。もちろん中には新たな発想で危機を乗り越え、今までよりも発展させている例も紹介されていましたが、アジアを中心とした海外生産に拠点を奪われて四苦八苦しているのが多いとのことです。これがこのまま続いていけば、日本の素晴らしい技術力の継承発展が失われるのではないかと、当事者ではありませんがいささか危惧をしております。

 と申しますのも、私をこれまで育ててくれた左官の世界も、職人が誇りにしている伝統技術を発揮する場がなくなりつつあるからです。野丁場の左官工事においては、左官本来の塗り壁や漆喰塗りなどの設計図書が姿を消し始めてから、かなりの年月が経っています。左官の技術を習得するには、目を閉じていても今塗っている壁の厚みが何センチと、自分の手の感触でわかるまで修練を積まなければなりません。その修練の場が失われつつあるのが現状ですが、その技術を持った職人が高齢化して、若い人たちに技術の伝承をすることが困難になっているのは、当事者として頭の痛いことです。
 時代の変化でこのような状況になってきているのも事実でしょうが、古来から受け継がれてきた伝統的な技術を後世まで伝えていくことが、お世話になった左官へのせめてもの恩返しであり、私たちの世代の役目だと考えています。

●ズームアップ
東急建設株式会社災害防止協力会
平成16年度(第35回)本部定期総会を開催


 東急建設株式会社災害防止協力会の平成16年度本部定期総会が5月13日、渋谷エクセルホテル東急において開催されました。
 総会第1部では、第1号議案の「平成15年度事業報告」から第4号議案の「平成16年度収支予算案」までの審議が行われ、すべての議案が承認されました。
 東急建設から南部専務をはじめ本部長、支店長、幹部の方々にご來席をいただいた総会第2部において、本部を代表して白岩会長が「時代の変化に対応でき、会員にとって真に有意義な災害防止協力会となるよう活動をしていくので、東急建設のお力添えと会員のご協力をお願いしたい」と挨拶しました。
 続いて平成16年度安全衛生管理表彰が行われ、安全衛生管理優良賞として法人18社、安全衛生管理功労賞として個人51名の方に南部専務と白岩会長より表彰状と記念品が贈られました。
 東急建設を代表して南部専務は、安全表彰者への感謝と激励の言葉を贈ったあと、「災害には厳しい目が向けられている。事業者としての責任を一層認識していただきたい。災害防止協力会の活動がますます発展することを願っている」と挨拶されました。
 第3部の懇親会には、東急建設の山田社長もご多忙の中を会場に駆けつけられ、歓談の輪が広がりました。


総会第3部で挨拶をされる 東急建設 山田社長


平成16年度安全衛生管理受賞者

安全衛生管理優良賞(法人)

[札幌支部]
大竹土木基礎株式会社
[東北支部]
日本電設工業株式会社 東北支店
[首都圏・鉄道支部]
春日基礎株式会社
株式会社齋藤組
有限会社蛯名建設
山善建設株式会社
株式会社ウッド・シー
株式会社門井工業
株式会社高和工務店
東洋熱工業株式会社
司産業株式会社
東立電設株式会社
不二窯業株式会社

[住宅支部]
有限会社棟栄組
[名古屋支部]
株式会社安部工業所 中部支店

[大阪支部]
翁有建設株式会社
清晃建設株式会社
 
[九州支部]
明和工業株式会社

以上18社(支部別、順不同・敬称略)

安全衛生管理功労賞(個人)

[札幌支部]
中屋敷左官工業株式会社  清水  実
株式会社 附田組  高橋 基
山ア建設株式会社   渡邉武俊
[東北支部]
株式会社 石勝エクステリア 岩澤雅樹
株式会社 カガヤ   安部 靖彦
株式会社 佐々木組   佐々木愛博
[首都圏・鉄道支部]
丸子電気工事株式会社  菊池 俊輔
東日工事株式会社  門馬 良孝
株式会社 鈴木工務店  類家 健造
コンクリートコーリング株式会社 石井 政彰
株式会社 佐々木組 成田 憲弘
大都建設株式会社 津久井憲二

高正建設株式会社 笠原  優
有限会社 宇津木沢工務店 青山秀章
株式会社 野沢組 臼澤 義光
株式会社 きんでん 東京支社 里 雅幸
ケーオーディー株式会社 閏間正樹
立山アルミニウム工業株式会社 相良 真吾
大京警備保障株式会社 長山 茂
株式会社 横井工務店 横井 勉
株式会社 小畑工業 椎橋喜良
糸井商事株式会社 内村達也
株式会社 桂和工務店 中村守男
山善建設株式会社 山田昭治
K.B.Lハウジング株式会社 井上晴男
株式会社 吉田工務店 大久保一彦
株式会社 ケルビン 山下勝和
東神建設株式会社 庭  邦夫
有限会社 大後工務店 川崎基生
株式会社 鈴木工務店 大川一男
株式会社 竹花組 橋 治
岸本建設株式会社 東京支店 佐藤正一
近代総合株式会社 中越 護
佐々木左官工業株式会社 関 幸次郎
河野金属工業株式会社 杉山明洋
JFEエンジニアリング株式会社 片桐隆晶
有限会社 久保田工業 平山 勇
関都建設株式会社 尾前 勝
高砂熱学工業株式会社東京本店 平山和寿
[住宅支部]
有限会社 山崎左官工業所 山ア 篤
関東電設株式会社 渡部幸男
有限会社 インテリアアンドウ 代田 誠
[名古屋支部]
サン・シールド株式会社 嶋崎克夫
株式会社 巽企業 後藤英昭
[大阪支部]
大山工務店 今西信秋
野里電気工業株式会社 村上吉
川商ジェコス株式会社 博多義雄
株式会社 関電工関西支店 松浦 勝
[九州支部]
株式会社 ノーグチ 田代正直
丸五基礎工業株式会社福岡支店 川尻憲司
奥田建設株式会社 小林義則

以上51名(支部別、順不同・敬称略)

●現場を訪ねて
(土木)犬蔵土地区画整理事業に伴う造成工事(首都圏本部)
蛍舞う自然と共存の素晴らしい街づくりをめざす
東急多摩田園都市56番目の土地区画整理事業

■工事場所 川崎市宮前区犬蔵2丁目地内
■事 業 社  犬蔵土地区画整理組合
■発 注 者  東京急行電鉄株式会社
■事業期間 平成12年3月〜平成18年3月
■所   長 川口 紳一
[工事数量] 開発面積 180,000u・伐採面積 153,000u
切盛土工事 450,000立方メートル・地下式調整池 2基
擁壁工事 2,130m・排水施設 9,230m・道路工事 29,600u
公園施設 3箇所・ガス・水道工事 一式・文化財調査 一式

 東急田園都市線たまプラーザ駅から北へ900m、東名高速道路川崎ICから南西900mに位置する所で進められている「犬蔵土地区画整理事業に伴う造成工事」は東急多摩田園都市56番目の区画整理事業となる。
 この事業は道路・公園等の公共施設を整備し、良好な住環境を備えた住宅地の供給を目的とする土地区画事業であり、@良好な住環境の確保、A防災性の高い都市構造の構築、B自然環境への配慮―という3つの基本方針を掲げて、計画人口3,769人の街づくりを進めるものである。
東急多摩田園都市の中心であり、豊かな住環境で知られる横浜市青葉区美しが丘に接するこの地区は、鶴見川水系の矢上川の源流で犬蔵谷戸と呼ばれ、工事に着手するまでゲンジボタルが飛び交っていた。
 こうした自然環境に配慮するために、地区の中央に配置される公園は、平成10年に環境庁が策定した「生物多様性保全モデル地域計画(鶴見川流域)」として、緑や生物の保全と回復を図るため、「生物多様性モデル地区公園」として整備される。

自然環境への配慮を基本にした施工
 川口紳一所長「この現場は環境影響評価(アセス)対応事業で、『自然環境への配慮をした街づくり』を基本に施工しています。評価項目の生態系・湧水・大気・騒音・振動・産廃・交通量・埋蔵文化財等を評価し、建設時にその要因となる伐採材・建築廃材・土工事・建設機械・工事用車両の低減を図るため、外周は3m万能板柵を設置し、伐採材はチップ再生、コンクリートガラは再生砕石、切盛土工は場内処理、工事車両は1日45台と定めて毎日チェックして厳守しています」
 生息していた動植物を復元するために、公園内に7,000uの現況林を保全し、シンボルとして山桜と榎を移植している。ホタルとホトケドジョウは採取して研究施設と里親で飼育され、公園に帰ってくることになる。また、ホタルの餌となるカワニナはこの事務所の飼育施設で増殖させ、小学生120人によるカワニナの放流が行われ、ホタルが舞い、ホトケドジョウが暮らす公園の完成が待たれている。
 

公園には樹木の保存と移植が進められている
 川口所長「公園づくりを通じて、新しいものを創り出すだけでなく、今あるものを保全・回復し、自然と共存・共生をし、人と人との繋がりを創造するような地域社会になるような街づくりをするのが、私たちの使命と思って工事を進めています」


カワニナを放流する小学校5年生の児童たち

住んでいる人の気持ちで工事を進行
 この造成工事がこれまでの他のケースと違うのは、市街地の中で行っていることである。
 川口所長「施工地域外周に100軒あまりのマンションと戸建住宅が張り付いているので、騒音・振動・埃対策が重要な仕事になっています。
 場内に騒音・振動計、風速・風向計、ダストジャを設置し、騒音・振動対策として重機の種類と大きさ、施工方法の見直し等で低減を図る。埃対策としては万能板柵、防塵シート柵、防塵シート貼り、種子吹付、クリコート吹付、散水車、スプリンクラー等で、その場所に合った方法で行っています。管理方法は、前日夕方にインターネットで予想風力と風向きを調べ、白、緑、黄、赤まで4階級の色旗を出入口部に表示して、階級ごとの動きをするように周知させています」
 ちなみに、白は平常で風速(m/s)5.5未満。名称は軟風。自然状況(陸上)は木の葉や細かい小枝が絶えず動く、旗がはためく。場内対応は散水車1台による散水というようになっている。以下、第3種から第1種までの階級となるが、すべてを紹介するスペースがないので、一番風の強い第1種・赤色の場合だけを紹介する。赤色は、風速10.8以上。名称は雄風。自然状況(陸上)は大枝が動き電線が鳴る、傘の使用は困難となる。場内対応は散水車3台による散水、宅地を消防ホースで散水―となっている。
  文字で表すと以上で終わってしまうが、住宅がすぐそばに迫っている中での18万uの造成工事であるから、散水も簡単なことではない。
  また、風雨雪による災害防止対策、 地震時の対策、防塵対策についての 「防災計画書」を4半期ごとに作成 して、万全な事前対策を行っている。


写真前列向って左より小松末広さん(叶ツ木組)、川上勝利さん(山崎建設)、
鈴木道弘さん(笠間建設)、野澤 太さん(轄イ々木組)、石澤慎司技術員、
後列向って左より川口紳一所長、西岡隆男技術員、山田常久副所長、山口伊佐子事務補、
鹿野内功工事主任、廣川賢ニ工事主任、川口成ニ郎技術員

誰が当たるかわからない安全講話
  作業所スローガン「安全は現場の仲間(社員・職長・作業員)声掛け合い危険ナシ!」のもと、重点管理事項は次の通りである。
@重機災害の防止…重機半径以内立入り禁止看板・柵の設置・グーパー運動
A墜落・転落災害の防止…安全帯の使用・梯子の固定・手摺の設置
B第三者災害の防止…第三者最優先の実施・場内の進入防止  
C土砂崩壊災害の防止…安全掘削勾配の確保・排水処理の確認
  この他、安全衛生管理活動として実施しているのが、不安全行動のペナルティーシール、重機稼動範囲内立入り時のグーパー運動、ヘルメット前面名前シール、朝礼での一人指名による安全講話などである。

伐採材はチップ再生される
「犬蔵を良くするぞ部長」で課題表明
 行事が多いのも、この作業所の特徴である。毎週月曜日の安全集会から議員、行政、組合役員、発注者が参加する賀詞交換会(餅つき)など、8つの行事が定例で行われている。その中に、2ヵ月毎に発注者、元請、協力会社が参加して行われている「情報連絡会(蔵の会)」というのがある。
 この会の会則の第3条に「犬蔵土地区画整理事業の進捗のため、積極的な事業貢献と地域社会へ調和と協力、並びに会員相互の親睦と情報交換を目的とする。」とあるように、犬蔵を素晴らしい街にするにはどうしたらいいかを目的にした会である。
 また地域、行政、関係者のみならず各方面から注目を集めている工事であるから、毎週必ず見学者が訪れている。その中にはタイの国会議員の見学もあったそうだ。
 小学生の絵の展示、万能版フラワーシール、事務所周りには花と樹木というように、イメージアップ活動に力を入れているが、作業所運営でユニークなのが「犬蔵を良くするぞ部長」というものだ。これは、所員がそれぞれ部長になって、特に自分が力点を置くのは何かを表明する。
 例えば、川口所長は「川口儲けるぞ部長」で―常に儲けることを考え、会社(社員)・協力業者(作業員)を豊かにする―を課題にしている。紙幅の関係で、次の3部長を紹介する。「廣川新しいものを取り入れるぞ部長」―新技術・アイディアを積極的に取り入れ、新たな土木を目指す。
  「鹿野北海道部長」―北海道の良いところを犬蔵に取り入れる。
  「山口事務所を守るぞ部長」―また来たい事務所造りを心掛け、笑顔の職場にする。

 職長会の名称は「自然薯会」で会員18名。「自然薯会」という命名は、場内に自然薯があったことと、職長会もそれにあやかって粘り強く、皆の繋がりを大切にしながらやっていこうという理由からだという。職長会の4役の方にお話を伺う。
 川上勝利さん(会長/山崎建設梶E土木一式工事)「石積、排水工事を担当していますが、現在は場内が平らになってきて、周りのマンションなどから作業の様子が見えますから、不安全行動をしないように周知徹底して、いいイメージをもたれるように、しっかり仕事をしていこうと話しています」
 鈴木道弘さん(副会長/笠間建設梶E機械土工事)「切土と盛土工事、運搬を現在担当していますが、振動を極力抑えた計画のもとで進めています。切土、盛土にかかるにつれて日々地形が変わってくるので、土砂流出等を起こさないように午前と午後、対策を立てながらやっています」
 小松末広さん(書記/叶ツ木組・とび土工事)「石積擁壁工事と宅盤整地をやっていますが、重機作業での合図の確認の徹底と、高所作業では親綱を張って安全帯の使用を徹底しています。現在、民家の目の前で石積工事をしているので、振動と騒音に特に注意しています」
 野澤 太さん(会計/轄イ々木組・土木一式工事)「場内の排水、石積擁壁、外築工事をしています。重機と隣接しての作業ですから接触防止を全員に徹底させています。現在、場内から少し離れて地区外で作業しているので、第三者災害は絶対に起こさないように特に注意しています」
 チームワークが見事に取れている職長さんたちの願いは「全工程を皆で力を合わせて無事故無災害で終わらせたい」ということである。


(建築) (仮称)浜松町一丁目プロジェクト新築工事(首都圏本部)
『創意・工夫とチャレンジ精神』を合言葉に
注目度抜群のエリアで東急の技術力を発揮!

■工事場所 東京都港区浜松町1丁目
■契約工期 平成14年11月1日〜平成16年9月30日
■事 業 主 TCプロパティーズ
■所   長 小川 雅嗣
[工事概要]
階数:地下1階 地上20階 塔屋1    
階 構造:S造(制震構造) 一部SRC造
用途詳細: 事務所…2〜13階1,121.4u/室 住 宅…14〜20階、10タイプ、 55戸、53〜117u/室
敷地面積:2,227.13u 建築面積:1,211.00u
法延床面積:23,973.00u 施工延床面積:25,634.00u
最高高さ:91.0m 最深深さ:13.1m

 羽田空港をモノレールで結ぶ空の玄関口・浜松町は汐留、品川、さらに再開発が進む八重洲地区のルート上にあり、背後には六本木、赤坂が控え、それらの中心圏に位置する地域として、非常に注目を集めている。  
  その浜松町の象徴の一つが貿易センタービルであるが、道路を挟んで建設が進められているのが「(仮称)浜松町一丁目プロジェクト新築工事」である。昭和45年に建てられた茶系統の貿易センタービルと対比して、建設中のこのビルは空の青さを映し出し、明るく爽やかな感じが際立っている。
  作業所の前にはJR浜松町駅と地下鉄の大門駅があり、すぐ前の道路は車の流れが絶え間なく続き、歩道はビジネスマンやOLを中心に人々が行きかう。こんな活気のある繁華な場所での地下1階、地上20階、塔屋1階の超高層ビル建設である。
  数々の厳しい施工条件をクリアして
 小川雅嗣所長に、このプロジェクトについてお伺いする。
 小川所長「ここは東急建設の自社工事としてスタートしましたが、会社が分社化した関係で、TCプロパティーズが施主になっています。建物用途としては2階から13階までが事務所ビルで、その上は約100uの1LDK、55戸のマンションになります。このマンションは当然住居の形となっていますが、ベンチャー企業などがホームオフィスとして対応できるにようになっています。
 建物の形状としてはビルの上にもう一つの建物が乗っているという形になっています。高層ビルは一つの流れを作ってしまうと、上の方は比較的スムーズにいきやすいのですが、ここの場合は途中で切り替わりますから、仕切り直しをして、また施工していくというのが特色です」
 施工を進めるにあたって厳しい条件があった。まず敷地が非常に狭いこと。そして人通りが絶えず、またJRの中で走る電車の種類が日本一多いといわれる線路が近接していること。そういう中での超高層の作業であるから、たとえ紙切れ一枚が飛んだだけでも何が起きるかわからないということで、飛来落下の防止には厳しい管理体制をとっている。
 地下工事のときも難問題があった。それは、地下鉄大門駅の昇降口増設工事と地下工事が重なり、1枚の山留壁を挟んでの同時作業となることであった。まかり間違えば大変な事態になるから、1年にわたって地下鉄工事側と協議を重ねながら、技術的な議論と検討を続けたという。


小川雅嗣所長
地下逆打工法と地上セミ積層工法
 現場内に『所長方針』『所長方針施策』『スローガン』が掲示されている。
●所長方針
1.粗利益の向上
2.重大災害件数0件
3.要求品質の早期把握と発展的追求
4.計画・検討された工程管理
5.整理整頓の実施
6.自然環境保全に対する積極的な対応
7.快適職場づくりの推進
●所長方針施策
1.創意工夫とチャレンジ精神
2.整理整頓は安全・品質・工程の原点
3.物事の原理原則=本質は不変…地球に逆らうな
4.工程は現場のストーリーである。最低3ヶ月が基本、竣工日より逆算せよ
5.Never give up…努力なくして成功なし…ねばり腰
●スローガン
『創意・工夫とチャレンジ精神』
 このスローガン通り、創意と工夫とチャレンジ精神を発揮しているのが、作業所の最大の特長ではないだろうか。
 タワークレーン1台での施工で作業効率100%設定、外装の汚染防止対策の実施、外装ACW層間ユニット工法の採用等々があるが、なかでも地下逆打工法と地上セミ積層工法の採用が施工の2大ポイントである。

安全大会
 

昼の作業打合せ

地下逆打工法は次の理由から採用した。
1.交通量の多い市街地での作業である。
2.敷地全体が地下…作業床の確保が困難。
3.近隣への配慮…作業騒音、粉塵などの建設公害の低減。
4.軟弱地盤であり、GL−13.5mの地下深度を持つ工事。
5.都営大江戸線、JR線の近接工事である。
6.大門駅昇降口増設工事(地下鉄建設)との並行作業を想定。
7.山留変形を最小限に押え、安全な地下工事の施工が不可欠。
 
 地上セミ積層工法の採用は次の理由からである。
1.階数が20Fであり、仕上げ工程をタクトにより管理する。
2.タクト工程を6日とし、事務所 23タクト、住居25タクトで行う。
3.鉄骨の建方所要日数を1Fあたり、6日(+不能日1日)と設定する。
4.鉄骨を積層的な建方とし、1フロアー単位毎の建方及び溶接を基準に実施する。
5.揚重センターの設置による揚重、産廃管理の一元化。

医師会による健康講話
 
 
 

分煙室


牧野由幸副所長

本間英一工事町

土井 明工事主任

長田篤典工事主任

職長会主体による自主管理活動
 作業所の施工基本計画の中に「快適職場認定の取得」、「職長会主体による作業所工事の運営」があるが、場中は清掃片づけが行き届いており、タバコの分煙室も設置されている。
 「職長会」という冊子があり、それには職長会の活動から始まり、会則、入会届、安全衛生活動表、各委員会役割業務、職長会の安全施工サイクル、職長会各種点検表、各種届出書類、職長会としての遅刻者対応まで、ここの職長会独自の内容となっている。そして、これらを確実に遂行しているが、職長の主な業務と自主管理について紹介すれば、どういう活動をしているかわかるので、次に記す。
「職長業務」
 ・全作業員の安全確保  
 ・朝礼、打ち合わせ会議への参加
 ・KYK、TBMの完全実施
 ・立入り禁止区域に表示及び作業員の健康状態の把握と適正配置
 ・工具、設備の始業前点検
 ・搬出入計画の調整と管理
 ・作業終了後の片付けと点検の実施
「自主管理」
 ・安全…安全帯使用、立入禁止表示、場内各規則の遵守、有資格者の配置はもとより安全巡視等による教育、指導。
 ・品質…各職において精度に基づいた施工管理を行う。
 ・工程…作業打ち合わせは職長会にて進行し、社員を含め職長間にて作業調整を行う。

 所長はじめ所員の皆さんも誇りにしている職長会の役員にお話を伺う。

坂本賢二会長
 坂本賢二さん(会長/棋泰工務店・とび土工事)「職長会の役員同士、これまで同じ現場で活動してきましたから、前の現場での良かったところは取り入れ、課題のあったところは改善しながら、ここの職長会の活動に活かしています。委員制度として環境委員、設備委員、安全委員、風紀委員、企画委員がありますが、一人一人の気持ちを大事しながら活動するようにと話しています」

篠原信雄副会長
 篠原信雄さん(副会長/潟Aミック・金物工事)「月に1回総会を開催していますが、当番が進行役をやり、議事録もきちんととっています。記録を残すことは、職長会の活動のいいところは次の現場にも活かすために必要だと思っています」

米田浩二環境委員
 米田浩二さん(環境委員/技建リーフ・型枠工事)「新橋、浜松町間は都市の中で日本一風の強いところ言われていて、特にここはいきなり突風が吹いてきますから、飛来落下には非常に気を遣っています。窓を開けるときは職長会に届出を出し承認を得ることになっています」

山上 茂安全委員
 山上 茂さん(安全委員/棋泰工務店・とび工事)「安全確保はわかりやすく、皆の気持ちにきちんと伝わっていくようにしています。それから健康状態を把握して適正配置を徹底することと皆の息がぴたりと合うようにと考えています」

関野徳顕会計・企画委員
 関野徳顕さん(会計・企画委員/衛生JV=叶シ原衛生工業所・給排水衛生工事)「現在35人くらい入って作業しています。ルールをきちんと守り、作業範囲の回りを確認すること、高所作業車の使用が多いので安全帯を必ず使用するようにと皆に言っています」

  小川所長は竣工を目指して次のように言う。
  「工程も非常に順調で、安全面も問題なくきているし、品質も皆の力でいいものが出来ていますから、皆の気持ちを一丸にして最後までやり遂げていきます」

 

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