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(仮称)アルス琴似1・3新築工事(札幌支店)
雪に見舞われる真冬が工事の最盛期になるが
チームワークを発揮していい建物を完成させよう
■工事場所 札幌市西区琴似1条3丁目
■工 期 平成15年8月〜平成16年9月
■発 注 者 東急不動産株式
■所 長 石黒 敏志
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平成15年も残りわずかとなった12月中旬、しばれる冬の防寒対策として厚着をして東京を飛び立ったのだが、札幌に着いてみると雪はなく、思っていたほど寒さは感じない。この冬は各地のスキー場も雪不足という報道がされていたが、札幌もまとまった雪はまだ一度しか降っていないという。いつもの師走とは様子が違うようだが、年が明けると本格的に降り出すだろうというのが、地元の方の話であった。
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[建物概要]
構造規模
RC造 地上15階
塔屋1階
面 積
敷地面積 1,734.79u
建築面積 704.92u
延床面積 5,844.40u
基 準 階 298.84u
高 さ
軒 高 43.900m
最高高さ 47.150m
基準階高 2.90m
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▲公園と病院、マンション等に囲まれた現場である
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▲石黒 敏志所長
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今回の『現場を訪ねて』は、札幌市西区琴似でマンションを建設している「(仮称)アルス琴似1‐3新築工事」の作業所である。
琴似(コトニ)はアイヌ語で「窪地になっている所」という意味だそうだが、琴似の町の成り立ちについて石黒敏志所長にお聞きする。
石黒所長「町の北方に琴似発寒川が流れていますが、その川がつくった扇状地一帯には続縄文期の遺跡が残されていて、かなりの昔から人々が生活をしていたようです。そして、現在の琴似の原型になったのが、明治に入って北方警備と北海道開発のために設けられた屯田兵村といわれています。北海道全体で40近い屯田兵村があったそうですが、最初にできたのが琴似屯田兵村で、その兵屋を復元した1軒がそっくり昔の場所に残されていて、国指定史跡になっています。
現在は地下鉄とJRで都心と結ばれており、札幌の西の拠点といわれるようにショッピングセンターや専門店、銀行、病院、公園などが数多く、生活環境が充実している地域になっています」
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騒音・振動に細心の注意を払い工事を進行
「(仮称)アルス琴似1‐3新築工事」は地下鉄とJRの琴似駅の中間にあり、駅からそれぞれ徒歩5分という交通至便な立地の中に、地上15階建てと3階建ての高層棟と低層棟に分かれた、グレードの高い分譲マンション48戸の建設を行うものであるが、建物概要は次の通りとなっている。
工事を進めるに当たって細心の注意を払ったのが騒音と振動についてである。工事着工前から張り付いている技術員の島崎賢一さんは次のように話す。
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▲島崎賢一技術員
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島崎技術員「ここの現場は正面と裏に病院、すぐ隣に精度を要する製品をつくっているビニール工場、更にマンションと公園にも囲まれているというのが特徴です。特に病院には入院患者さん、通院される方がいますし、CTなどの医療機器もあるわけですから、騒音や振動で迷惑がかかることがないように、工法の検討をはじめ作業時間の調整などを行う一方、皆にも無用な音や声を立てないようにしようということで進めてきました。工場の方も精密な機械があるということで杭工事、土工事の時には気にされていましたが、影響を与えることなく高層棟と低層棟双方の基礎工事を無事に終えることができました」
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現在は高層棟の躯体工事に入っているが、季節の方もこれから本格的な寒さを迎えることになる。この冬は雪は少ないのでしょうかという質問に、雪の多い冬になるだろうというのが作業所の予想である。
現場を見させてもらうため事務所から外に出ると、やはり寒さが迫ってくる。
現場は冬期養生の上屋が架けられているから、ドームの中で作業をしているような感じである。ジェットヒーターの熱のおかげで中の気温は10℃を超えているのではないだろうか。 |
雪に見舞われても万全の事前対策で大丈夫だ
| 冬期間における様々な工事を担当してきた古寺直樹主任から上屋について説明を受ける。 |

▲古寺直樹工事主任
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古寺工事主任「これまでも雪の多いとき、少ないときの工事を担当してきましたが、必ず上屋を仮設して工事をしてきました。上屋も予算をはじめ諸々の条件によって材料や仮設方法が違ってきますが、この現場の場合は寒中コンクリートの期間になりますから、3階までのコンクリート打設が終わると、次は6階までコンクリートが打てるように、この上屋を盛り替えていきます。そして、さらに8階までコンクリートが打てるように盛り替えるというように、これから3月まで上屋の設置と盛り替えに3回手間をかけることになります」
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作業所では大雪や吹雪になったときの対策は事前に織り込み済みであるが、通常でも厳しい工期であるから、雪が積もると除雪、排出などの余計な手間と時間と費用がかかることになる。
古寺工事主任「除雪した雪の排出地の確保、基準以上の積雪に対する上屋対策など、考えられる限りの雪対策は事前にしていますが、それでも予想を超える大雪のために道路が混んでいて生コン車が来ないとか、様々なアクシデントが起こる可能性がありますから、それらを見越して、問題が起きたときには最小限に食い止める判断を素早く下すようにしています」
雪問題もさることながら、現場で苦心しているのが、構造の変更等で着工が当初計画より1ヵ月遅れて、工期が実質12ヵ月になったことに加えて、「敷地一杯に建物を建てますから場所が取れないうえ、前面に高層棟、縦に長広い低層棟が奥にくるという形状的にも複雑な配置になっていますから、レッカーなどを入れるスペースもぎりぎりという状態です。だから、安全確保をしながら、いかに作業をスムーズに進めることができるかということに苦労しています」と島崎技術員は言う。
そんな中で、石黒所長が皆にいつも話しているのが、
「工期がないからといってあわただしくやると、事故を起こしたり、何か抜けたものが出てくる可能性がある。だから、あせらず、あわてずに落ち着いてやろうよ」
ということである。 |
事故なく喜んでもらえる建物を完成させよう
安全衛生管理活動は安全衛生管理基本方針に沿って展開しているが、その基本方針は次の通りとなっている。
「作業所スローガン」
チームワークとアイディアで
みんなで築こう快適職場・安全職場
「重点管理項目」
@墜落・転落災害の防止
A飛来落下災害の防止
B第三者災害の防止
C重機災害の防止
D火災災害の防止
E倒壊・崩壊災害の防止
F交通災害の防止 |
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▲上屋が架けられた現場内、
この上屋の設置と盛り替えを3回行うことになる |

▲スペースに余裕がないのが悩みの種 |
「作業環境条件」
・東面の前面道路は狭く
朝夕の交通量も多い。
・南面は児童公園があり
子供の遊び場になっている。
・隣接建物に病院、精密機械を扱う工場、
マンションがある。
・騒音、粉塵、振動に注意を特に払う、
又は工法の選定必要。 |
「安全衛生の意識」
・東面の前面道路は狭く朝夕の交通量も多いので搬入車の多いときは
警備員を配置する。(違法駐車の禁止及び近隣への配慮意識の向上)
・南面は児童公園があり子供の遊び場になっており、外部足場が公園上空まで
突出するため、朝顔にて落下物養生を行うが常に落下させない意識を持たせる。
・騒音に対する近隣の注意があるので、無駄なクラクション、アイドリング、
作業音の抑制意識。
「徹底事項」
・現場周辺での路上駐車の禁止徹底。
・KYK活動の徹底。
・各工種による安全点検の実施。(月1回以上)
・作業終了時の片付け、清掃の実施。
チームワークを発揮しながら、先頭に立って皆を引っ張っている職長さんに、昼の打合せの後、しばらく残っていただいて話を聞く。
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吉村宏樹さん(椛蝟k工務店・とび工事)
「外部足場を担当しています。敷地ぎりぎりの中で、足場もこれから20数段上がっていきますから、皆が仕事をしやすいように作業をしていきます。安全面で特に注意しているのは、子供たちが出入りして遊んでいる公園がすぐ隣にあって、建物がその公園と並ぶ形となりますから、絶対に物を落とさないようにということです」
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長南貴行さん(丸北三建工業梶E機械設備工事)
「現在、躯体がらみの方のスリーブ工事をしていますが、開口部の養生と墜落・転落をしない ようにと注意しています」
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渡辺 力さん(渇。田工業・鉄筋工事)
「2階の柱の組み立てに入っているところです。脚立作業が多いですから、基本を守って必ず適正使用をするようにと皆に言っています」
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内田和義さん(高松工業梶E圧接溶接工事)「鉄筋のガス圧接をしていますが、電動工具、ガス器具の事前点検を必ず行うこと、火傷をしないこと、養生をきちんとして火災は絶対に起こさないことを徹底させています。また、検査のある仕事ですから品質管理に細心の注意をして、いいものを確実に納期に間に合うようにと作業をしています」
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職長さんたちとはこれまでも一緒に仕事をしたことがあり、顔なじみという古寺主任は、「お互い遠慮せずに意見を出し合いながら進めていますが、これからも職長さんたちがまとまって皆を引っ張ってほしいと思います。そして、作業所としては働きやすい環境づくりとその維持、能率よく作業ができること、いい品質のものをつくるという3つを並立させながら進めていきたいと考えています」と言う。
工事は高層棟を終えた後の3月時点から低層棟に取り掛かるが、完成に向けて作業所では働く皆さんの気持ちを代表して、島崎技術員は次のように決意を述べる。
「事故がなく完成させて、エンドユーザーに満足していただく建物にするため、細かな納まりや気配りをしながら進めていきます」
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昼の打合せ▲
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▲モデルルーム |
(追記)年が明けた平成16年1月中旬、暴風を伴った寒気団により北海道をはじめ東北、日本海側は大吹雪に見舞われた。札幌も地元の方の予想をはるかに超える大雪となり、新千歳空港の閉鎖をはじめ社会生活への影響を与えることとなった。
これまでも同じような状況を経験してきた作業所の皆さん方だから、事前に準備していた対応策をフルに発揮して工事に当たっていることだろう。
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